日経平均一時500円超高 売り手が慌てた米政府閉鎖回避

2日の東京株式市場で日経平均株価が急反発し、上げ幅が一時500円を超えた。年度下半期の幕開けとなったこの日、米政府機関の閉鎖回避、日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)、需給悪化要因のあく抜けという3つの好材料が重なり、投資家心理が大きく改善した。日本株の底堅さが改めて鮮明になっている。

「投資家にとって大きなポジティブ・サプライズ」(楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジスト)となったのが、米政府機関の閉鎖回避だ。米連邦議会の上下両院は9月30日夜(日本時間10月1日午前)、予算執行を11月中旬まで継続できるつなぎ予算案を超党派で可決し、政府機関の閉鎖を土壇場で回避した。

直前までは政府機関の閉鎖が確実視されており、米国景気の下押しにつながるとの不安が世界的に投資家心理を冷え込ませていた。香川氏は「リスクオフのムードから日経平均先物を売り込んでいた海外投資家が慌てて一気にショートカバー(売り方の買い戻し)に動いた可能性がある」と指摘する。

そこに今朝発表された日銀短観が追い風となった。大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回の6月調査から4ポイント改善してプラス9だった。QUICKが集計した民間予想の中心値(プラス6)を3ポイント上回った。23年度の設備投資計画は全規模全産業で前年度比13.0%増と上方修正された。

ファナックトヨタ自動車ダイキン工業など幅広い製造業銘柄が上昇したのに加え、地銀を含む銀行株が特に上げた。西日本フィナンシャルホールディングスが一時7%高、いよぎんホールディングスしずおかフィナンシャルグループが一時4%高となった。

設備投資に向けて企業が借り入れを増やし、銀行の融資が拡大すると連想された。景況感の改善が日銀によるマイナス金利政策の解除につながるとの見方もある。

株式需給の改善も一因だ。2日からの日経平均の構成銘柄見直しでは値がさ株のレーザーテックなどが新たに加わった一方、三井E&Sなどが外れた。大和アセットマネジメントの富樫賢介チーフ・ストラテジストは「パッシブ運用のインデックス・ファンドなどが銘柄入れ替えに際して値がさのレーザーテック株を買うのに株価水準が低い三井E&S株などの売却では金額が足りず、先週末まで他の構成銘柄も薄く広く売りを出していた」と指摘する。

週が明け、こうした需給悪化のあくが抜けたのも500円超高につながった。政府と金融界は6日まで海外の投資家や資産運用会社を集中的に日本に招く、「Japan Weeks(ジャパンウィークス=日本週間)」を開催している。週明けに鮮明になった日本株の底堅さは訪れた海外投資家に一段の日本株買いを誘いそうだ。(日経電子版 参照)

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