三重県鳥羽市、高度外国人材に市営住宅の貸し出しを検討

三重県鳥羽市は市内で働く外国人で専門的な技術や知識を持つ「高度外国人材」に市営住宅を貸し出す検討に入った。市内にはホテルや旅館、観光業で通訳などとして日本人とほぼ同じ条件で採用される外国人が増えている。新型コロナウイルス禍を契機に、業界を去った日本の人材も多く、観光街を挙げて外国人が暮らしやすい環境を整える。

同市の中村欣一郎市長が明らかにした。観光協会などと市営住宅の貸し出しなどについては協議中だとしており、「実現できるように検討している」と述べた。市営住宅の借り上げや維持管理費の負担、住宅内で使う家財道具を誰が確保するかなど詳細な条件を今後つめる。

市内のホテル・旅館には高度外国人材をフロントやレストラン、管内管理の要員として20人余り雇用している例もある。少子化で地元の高卒者が確保しにくくなっており、長年勤めたスタッフも高齢化で離職する例もある。新型コロナでこうした傾向には拍車がかかったという。

高度外国人材は日本人と同様に転職することも可能で、他の観光地から移ってきた例も鳥羽市では見られる。家族を呼び寄せて長く日本で働く意向を示す外国人もおり、安定した住まいの確保は重要な課題だ。中村市長は「高度外国人材に市営住宅を貸し出す例は他に聞いたことがない」としており、観光地で広がる人手不足の解消に対応したい考えだ。(日経電子版 参照)

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