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日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、2023年度の設備投資計画は全規模全産業で前年度比13.0%増と上方修正された。民間予測の中央値(12.3%)を上回った。新型コロナウイルス禍からの経済再開や脱炭素関連などで積極的な設備投資がみられるものの、企業の人手不足感は強まっている。
大企業製造業の設備投資額は23年度に20%増で、22年度実績(6.5%増)を上回って推移する。日銀は「脱炭素に向けた投資が旺盛に出ている」と分析する。大企業非製造業は10.1%増で、前回の6月調査から横ばいだった。
製造業の国内向けの設備投資額(連結)は23年度に23.3%増を計画する。非製造業は4.9%増。全産業でみると12.7%増だった。海外への設備投資計画は、23年度が製造業で1.5%増、非製造業は13.8%増だった。
23年度計画の経常利益は大企業製造業で5.0%減、非製造業は0.8%減だった。中小企業は製造業で2.5%減、非製造業で1.5%減だった。23年度計画の純利益では、全規模全産業で1.4%減を見込む。製造業は1.8%減、非製造業は1.1%減だった。
資金繰りが「楽である」と答えた企業から「苦しい」と答えた割合を引いた資金繰り判断指数(DI)は全規模全産業でプラス11と前回調査から横ばいだった。大企業はプラス12と1ポイント悪化し、中小企業はプラス8で横ばいだった。
企業の人手不足には拍車がかかっている。全規模全産業の雇用人員判断DIはマイナス33と、前回調査からわずかに悪化した。大企業製造業もマイナス15と前回から2ポイント悪化し、先行きも1ポイントの悪化を見込む。
雇用判断DIは雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」の割合を引いた値。マイナスの値が大きいほど人手不足感が強いことを示す。
非製造業でも依然として人手不足感が強い。大企業非製造業ではマイナス36と1992年2月以来の低水準で、「バブル期並み」(日銀)になっている。全規模でもマイナス42と前回調査から2ポイント悪化し、先行きは4ポイントの悪化を見込む。インバウンド(訪日外国人)の拡大などで、サービス業を中心に人手不足の状態が続いている。(日経電子版 参照)