TEL:06-6606-9733
営業時間 9:00~17:30 平日
政府は在留外国人の永住申請や在留カードの更新に関しオンラインの手続きを可能とする方針だ。最長5年を上限としていた技能実習制度の廃止などにより、永住を希望する在留外国人が一段と増える可能性があるためだ。申請者や政府側の事務負担を軽減して環境を整える。
出入国在留管理庁が月内に提出する2024年度概算要求に永住手続きのオンライン化の必要経費を計上する。累計で40億円ほどを見込む。システムの整備を進め25年度の実現をめざす。入管庁は在留資格のオンライン化に取り組んできたものの、永住申請についてはこれまで住居地を管轄する役所の窓口での対面手続きしか認めていなかった。在留外国人数はこの10年で4割ほど増えており、22年末時点で過去最多の307万人に達した。永住者は22年末時点で86万人に上り、同年に永住許可を受けた人は4万人ほどいた。さらなる拡大が続けば事務手続きが増えて窓口が混雑するなどとの懸念があった。オンライン化の背景には外国人労働者を巡る政府の方針がある。6月の関係閣僚会議で外国人労働者の門戸を広げる方針を決めた。技能実習は「発展的に解消」して代替の新制度を設け、特定技能制度は長期就労が可能な業種を3分野から12分野すべてに広げる。
永住許可は原則として10年以上の在留経験に加え、5年以上の就労または居住の資格を有することが条件だ。制度の拡充により永住を希望する人が増えるとみられていた。
既存のシステムの使い勝手も向上させる。在留資格の申請に関するオンライン申請はすでに認めており、22年におよそ15万件の利用があった。
申請者に対するオンライン利用の割合は2割程度にとどまっており、入管庁の調査によると使い勝手の悪さなどがその原因となっていた。申請書類の入力ページにアップロードできるファイルの容量を拡大するなどの方策を検討する。(日経電子版 参照)