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2023年6月28日の日本経済新聞朝刊1面に「賃上げ継続、人に積極投資」という記事がありました。総合素材大手のAGCは2030年まで毎年賃上げを実施する方針です。長期にわたって賃上げを続ける狙いはどこにあるのでしょうか。
物価高や人手不足を背景に、日本企業の賃上げが相次いでいます。2023年の春季労使交渉では基本給の水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の要求が相次ぎ、要求のあった企業のベア実施率は9割に迫りました。
足元では持続的な賃上げに向けた動きが広がっています。AGCの平井良典社長はベアを含む賃上げを30年まで実施する方針を表明、凸版印刷は今後5年の賃上げ継続を決めました。AGCは22年7月に実施したベアにより新卒採用の応募者数が増えるなどの効果が出ています。凸版印刷はグローバルな人材獲得競争の観点から賃上げの継続が必要と判断しました。
日本の賃金は1990年代から伸び悩んでおり、主要7カ国(G7)でイタリアと最下位を争っています。モノやサービスを実際にどれくらい買えるかを示す実質賃金は、4月まで13カ月連続マイナスとなっており、物価高を補う賃上げは進んでいません。人手不足の中、優秀な人材をつなぎとめるには企業の賃上げ持続力が問われています。
(日経電子版 参照)
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