高度外国人材の45%、大卒新人より低賃金人手不足の穴埋め要員に

一定の専門性をもつはずの「高度外国人材」の45%は、所定内給与が大卒初任給の平均(24万8000円)を下回ることが分かった。政府は「イノベーションをもたらす」として積極的に受け入れており来日が急増しているが、人手不足の現場で穴埋めとして働く実態が浮かぶ。制度の趣旨とずれが生じている。

日本経済新聞は2024年の賃金構造基本統計調査のデータを使い、賃金分布を分析した。高度外国人材にあたる「専門的・技術的分野」の45%は所定内給与が24万円未満だった。国内全体で見れば「専門的・技術的職業」に従事する人で24万円未満なのは15%だった。

政府は「経済社会の活性化に資する」として海外から高度人材を積極的に受け入れる一方、それ以外の外国人労働者には慎重姿勢をとる。就労資格で現場作業が許されるのは日本で技能を学ぶのを目的とする「技能実習」、人手不足対策として2019年にできた「特定技能」などに限定される。

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認められていない現場作業でトラブル

実態は異なる。外国人労働者の駆け込み寺として知られるNPO法人、日越ともいき支援会(東京・港)の吉水慈豊代表理事は「高度人材に認められていない飲食、宿泊、製造などの現場作業でトラブルに遭うケースが目立つ」と話す。SNSなどで寄せられた相談は25年1〜10月に1100件以上あった。23年は通年で23人、24年は212件で急増する。

25年11月、ベトナム出身の女性(39)が出入国在留管理庁から在留資格の更新を拒否された。母国の大学で経理を学び、現地の人材会社の仲介で高度人材向けの「技術・人文知識・国際業務」(技人国)の資格を取って来日した。入管に届けた就労先と異なるラーメン店で基本給18万円で働いているのが発覚し、帰国せざるをえなくなった。

女性は「技人国なら家族を呼び寄せられる」と説明する仲介業者に6000ドル(約95万円)を支払って来日したという。

高度人材の来日は急増している。技人国は25年6月末時点で約45万8千人。前年末比9.4%増えた。規制が強まる技能実習が同1.6%減だったのと対照的だ。

「入管も人手不足でチェック不十分」

ベトナム人労働者に詳しい斉藤善久・神戸大准教授は「日本向けの高度人材ビジネスに参入する現地や日本側のブローカーが増えた。手数料さえ取れれば日本語ができない人も送り出すので、入国しても仕事ができず転職先も見つけられないケースが少なくない」と説明する。

日本側の事情もある。入管実務に詳しい山脇康嗣弁護士は「技人国は技能実習や特定技能と比べて手続きが簡便なので望む企業が多い。入管申請を手掛ける行政書士や職業紹介事業者、派遣事業者が安易に勧めるケースもある」と説明する。

技能実習生は受け入れ窓口の「監理団体」や認可法人の外国人技能実習機構が相談に乗る。特定技能も受け入れ企業や委託する「登録支援機関」に支援が義務付けられているほか、入管が就労先を把握する仕組みがある。高度人材はこうした体制がない。自由度が高い半面、孤立しやすい。

山脇弁護士は「高度人材の在留資格に合った仕事かどうか、入管が人員不足で十分にチェックできていない」と指摘する。審査の厳格化が欠かせないとし、「現業職の本来の受け入れルートである技能実習や特定技能の手続きを合理化し企業が利用しやすくする必要がある」と話す。

(日経電子版 参照)

 

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