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日本に中長期で滞在する在留外国人は2022年から年率およそ10%のペースで伸びている。政府に対して「無秩序」に受け入れているのではとの批判もある。現場労働の外国人が増加する一方で、高度人材を活用しきれていない面もある。
在留外国人は25年6月時点で、395万人と15年と比べて1.8倍になった。外国人労働者は257万人で、10年前の3倍近くにまで拡大した。
日本での在留には、出入国在留管理庁による在留許可が必要だ。在留資格ごとに就労が可能かどうかや滞在の長さなどの条件を定める。許可の裁量は政府にある。
日本が制度として外国人労働者の受け入れ拡大へとカジを切ったのは、1990年にさかのぼる。在留資格として「定住者」を創設し、南米などに住む日系人が日本で働けるようにした。
従来、就労を目的とする滞在は医師など高度な専門職種に絞ってきた。
93年には技能実習制度をつくり、途上国に技術を学んでもらうため企業が外国人労働者を雇用できるようにした。建前は途上国への技術移転が目的だったが、安価な労働力確保の手段として利用が広がった。
受け入れ拡大へさらなる転換点となったのが2018年だ。深刻な人手不足に対応するため、在留資格に「特定技能」を新設して長期在留を伴う労働に道を開いた。
国会で「事実上の移民政策だ」との指摘があった。在留に期限を設け、対象を絞る条件をつけた。介護や製造業、建設など16業種で現状、82万人という受け入れの上限を設ける。「無秩序」で受け入れているとの指摘は必ずしもあたらない。
27年度に技能実習に代わって始める「育成就労」も上限を設ける。27年4月から2年間で43万人に設定した。特定技能は80万人とする。
不法残留者もデータをみる限り、在留外国人が増えるなかでは抑制が効いている。
25年1月時点の不法残留者は前年比5.4%減の7万4863人だった。1990年代に30万人に迫ったが「取り締まり強化の結果」(入管庁)によって2010年には10万人を切った。15年以降はほぼ横ばいだ。
ただ人口に占める外国人比率が10%を超えた地域も少なくない。地域間の偏りも不安を呼ぶ要因となっている。
政府の基本計画によれば「専門的、技術的分野」の外国人材は積極的に受け入れ、それ以外は経済的効果や雇用に及ぼす影響などを考慮する必要があるとの立場をとる。
ただこうした政府の狙い通りに受け入れが進んでいるとは言いがたい面もある。とくに専門的な技能や知識を持つ高度人材の活用は課題が多い。
専門人材向けの在留資格「技術・人文知識・国際業務」は通訳やエンジニアなどを想定する。足元で45万人程度いるが、実際には製造業などの現場作業に就く例が少なくないとの指摘がある。
学歴や年収などの条件を満たす研究者や経営者が得る資格「高度専門職」は増加傾向だが、3万人程度にとどまる。起業や会社経営ができる「経営・管理」も実態のないペーパーカンパニーによる申請が問題となった。
円安による賃金の目減りも相まって、高度人材にとって日本は魅力ある環境にあるとはいえない。競争力のある人材に選ばれる国になるためには、文化的な違いを乗り越えるための生活環境の整備や、待遇の改善も待ったなしだ。
(日経電子版 参照)
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